ECサイト・カタログ通販を裏側で支えるCMS<前編>

HOUSEI DX推進室 連載コラム
  VOl.
4
Topics
No items found.
Business Needs
No items found.
Industries
No items found.
Related Product & Services
No items found.

朝夕の通勤電車で新聞や漫画週刊誌を広げてみる人の姿を見ることはすっかり稀になりました。同様に、様々な商品に関する紙パンプレットを目にする機会も相当減ったという感覚があります。そこで、少しWebで調べてみることにしましょう。例えば、【カタログ送付希望】というキーワードを使って読者の皆様も調べてみて下さい。検索者によって検索結果に多少の差異があるとしても、1700万件もヒットしたことには多少の驚きを禁じ得ません。上位に来るものを見た限りですが、実際に紙のカタログの応募Webフォームに繋がっています。検索上位は特定の業界・業種に偏っているようには見えますが、まだまだ紙カタログも利用されていることが分かります。 今回と次回の2回は、そのような紙カタログ発刊の裏側を支え、同時にECサイトのバックエンドを担っているコンテンツ管理システム(CMS)について、事例も織り交ぜながら紹介していきたいと思います。

GUEST

話し手

DX推進室

HOST

聞き手

GUEST

話し手

DX推進室

Client

お客様

一部の人を除けば、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)という言葉はあまり聞き覚えが無い単語と思います。また、逆によく知っているという方の大半は、恐らく何らかのメディア関係者である確率が高そうです。
「Contents」とは、直訳すれば「中身」を指す単語ですが、割と一般的な解釈では、Webサイトを構成する文字・画像(動画を含む)、レイアウト情報等一元管理するシステムとなります。これが最も狭義な解釈ですが、もう少し広げて新聞・雑誌などの紙媒体向けのコンテンツ管理(新聞業界では、素材管理システムなどと呼ばれている)もターゲットの範囲内と言えます。当社では、前述のような狭義なCMSの開発実績もありますが、今回話題としたいのは、DB出版・DB連動型Webサイトの後ろ側に有るデータベース=広義なCMSの方です。
※CMS=Contents Management System

当社の実績紹介

では、まず最初に当社創業来の実績を紹介させて頂きます。
HOUSEIは1996年に創業し、その直後から様々な広義なCMSに携わってきました。最初の関わりは、「カーセンサー」という中古車販売雑誌の自動作成システムです。40代以上の方であれば記憶にあると思いますが、1頁に8~10車程度の中古車の写真・車名・年式・走行距離・売価といった情報がぎっしり詰め込まれた厚さ4㎝にもなる雑誌でした。当然、数百ページにもなるわけですが、すべて手作業で製作していたというのだから今から考えれば恐ろしいことです。当社では、自動組版システムとその裏側に控えるCMS(=中古車商品情報DB)を使って、写真の自動最適化処理も組み合わせることで雑誌製作を完全自動化できる仕組みを提供しました。手作業では数カ月を要した発刊作業をわずか数週間へと劇的に短縮することが出来た事例です。

続いて取り組んだのが、様々な求人メディア向けのシステム提供でした。こちらもCMSと自動組版システムの組み合わせで劇的な業務改善を実現しました。さらに途中からは、Webブラウザが登場し、一層の効率化に貢献しました。従来であれば、求人広告の営業担当者は顧客先でヒアリングした結果を紙に纏め、製作セクションへと連携し、手作業で作られた広告のゲラを印刷して持参、或いは、FAX送信していました。ブラウザの登場=インターネットの普及により、顧客先の商談中に必要な情報をその場で登録することも可能となり、自動組版システムと連動することによって、客先商談中に営業担当者が自ら求人広告を作る事すら可能となりました。そして、更に求人Webサイトに連動することで自動的に求人ページが生成されるようになってきています。
この流れの中で、集大成的に取り組んできたのが大型ECサイト・総合カタログの自動生成を支えるCMSの提供でした。

自社製品と取引先の商材を合わせると100万点以上の商品を全国各地に販売をするA社では、急成長する中、都度都度 、様々なシステムを開発してきましたが、アドホック的なシステム開発による弊害が徐々に出始めていました。そこで、作業効率の向上と情報管理の統合化を図るためすべての商材の情報を一元管理するコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)の開発に着手することになりました。
A社では、100万点を優に超える商材を取り扱っていますが、更に1つの商品についてサイズ違い、色違いなどの組み合わせを考えると途方もない数字になります。これらの商材の紹介方法として、専用のECサイト、FAXによるダイレクトメール、郵便による資料送付、メールマガジンと様々な販促方法を採用していましたが、さらに主な商品が全て掲載されている紙カタログも発刊していました。このように様々な媒体を活用している場合、ページサイズやレイアウトも異なるため、同じ商品であっても掲載に必要な要素に違いが生じます。例えば、写真が載るもの・載らないもの、カラーかモノクロか、商品説明文の文字数が100文字だったり500文字だったり、、、全てのコンテンツを一元管理し、用途によって異なる必要情報を最短時間で的確に取り出し、利用できる形に成形をして提供する、この目的でCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を開発することになりました。

5つのコンセプトと構築3段階

開発にあたっては5つのコンセプトが掲げられました。

1.情報の一元化
すべてのアウトプットメディアに対して、共通・横断的に利用できること。
これにより、情報の不整合や非効率な作業を削減することを目指します。

2.パーソナライズ化
CRMと連携できること。
これにより、顧客別にパーソナライズ化された情報を最適なメディアを使って配信することを目指します。

3.タイムリーなメディア展開
システム間の連動を強化し、タイムリーなメディア展開ができること。
これにより、多種多様な顧客層に対し、適切なプロモーションすることを目指します。

4.データ登録の迅速・効率化
マーチャンダイザやサプライヤが継続的・効率的に商品情報を登録・保守できる仕組みの提供ができること。
これにより、作業の効率化および登録商品点数が増加することを目指します。

5.グローバル化
一元管理された商品情報DBからグローバルなリアルタイム展開ができること。
これにより、分散管理されている情報を統合化することを目指します。

 そして、構築は3段階に分けて実施することになりました。

第1段階:商品スペック表組自動生成
CMSの情報を元にした表組作成は一見すると簡単そうに感じますが、この場合、それほど単純な話ではありませんでした。というのも、取り扱う商材の種別が多く、それによって顧客に伝えるべきスペックの項目数や表現方法も様々だからです。例えば、文具と家電を比較して貰えれば、伝えるべき商品スペックの違いを想像できます。手作業で作られた表組は、表現形式の違いもさることながら、中身の間違いチェック(=校正)作業が馬鹿にならないものになっていましたが、人手を介すことが無い自動処理で表組が作られるとなれば、Web画面上のコンテンツ登録情報の一カ所だけを確認すればよいことになりました。

第2段階:ページ単位自動組版
厄介な表組の自動生成が完了すると、頁単位/1冊単位の自動組版の完成へと歩を進めることになりました。まず、CRM(顧客情報管理システム)との連動を図ることで、顧客との取引実績等に応じたカタログ以外の販促資料の自動生成も可能としました。また、分厚いカタログ作成では必ずポイントになる索引の自動生成、目次の自動生成、爪の自動生成なども同時に自動化を実現しました。

第3段階:台割管理
次なるテーマは、本丸のCMS機能とは少し毛色が異なりますが、「製作状況の見える化」でした。このCMSでは、コンテンツの一元管理だけでなく、次の3つの管理の集中が目標とされました。

 ・素材管理の集中
 ・コミュニケーションの集中
 ・マネジメントの集中

台割管理では、分厚いカタログをページ単位・爪単位(章単位)でビジュアライゼーションし、1冊単位の進捗状況の把握が出来るだけでなく、マーチャンダイザ単位や商品カテゴリー単位での進捗状況まで共有化されることになりました。これによって、ページ単位や商品カテゴリー単位での差し替え、掲載点数の増減等が行いやすくなり、メディア制作のフレキシビリティが大幅に向上することとなりました。

 それでは、次回は後半として、3つの段階の詳細について解説させて頂きます。

Author

執筆者

DX推進室

Author

執筆者

DX推進室

Previous

前の記事

Next

次の記事

資料請求・お問い合わせ