2021 年 9 月 14 日 [火]

模倣品対策への使命

社外役員インタビュー
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HOUSEI株式会社は、ガバナンス強化のため、社外監査役にIP FORWARDグループ 総代表・CEOの分部 悠介弁護士を迎えております。HOUSEIはITの側面、分部氏は知的財産権の側面から「日本と中国の架け橋となり、コミュニケーションを多層化させる」という共通の役割を担っています。分部氏の生い立ちや経験を通じて、日本と中国の変遷、そこから見えてくるHOUSEIの使命について話を伺いました。

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執筆者

分部 悠介

IP FORWARDグループ 総代表・CEO

1999年、東京大学経済学部在学中に司法試験合格し、翌年に東京大学経済学部を卒業。その後、株式会社電通に入社し、映画・音楽・キャラクタービジネス等のコンテンツ・ビジネス実務に携わる。2003年に弁護士登録したうえで、日本最大級の総合弁護士事務所である長島・大野・常松法律事務所に入所、企業法務、知財法務、中国投資法務に関与。2006年から2009年の間、経済産業省模倣品対策・通商室に出向。初代模倣対策専門官弁護士として、中国、インド、東南アジア、中近東諸国の知的財産権法制度の調査・分析、関係各国政府との協議、権利者企業からの知的財産権侵害に係る相談対応などを担当。2009年に中国へ渡り、知財出願、知財保護、企業法務、日中事業進出支援等をワンストップでサポートする「IP FORWARD」グループを創設。

GUEST

話し手

分部 悠介

IP FORWARDグループ 総代表・CEO

HOST

聞き手

管 祥紅

HOUSEI株式会社 代表取締役社長

GUEST

話し手

分部 悠介

IP FORWARDグループ 総代表・CEO

1999年、東京大学経済学部在学中に司法試験合格し、翌年に東京大学経済学部を卒業。その後、株式会社電通に入社し、映画・音楽・キャラクタービジネス等のコンテンツ・ビジネス実務に携わる。2003年に弁護士登録したうえで、日本最大級の総合弁護士事務所である長島・大野・常松法律事務所に入所、企業法務、知財法務、中国投資法務に関与。2006年から2009年の間、経済産業省模倣品対策・通商室に出向。初代模倣対策専門官弁護士として、中国、インド、東南アジア、中近東諸国の知的財産権法制度の調査・分析、関係各国政府との協議、権利者企業からの知的財産権侵害に係る相談対応などを担当。2009年に中国へ渡り、知財出願、知財保護、企業法務、日中事業進出支援等をワンストップでサポートする「IP FORWARD」グループを創設。

HOST

話し手

管 祥紅

生い立ち

小学校後半から中学校までアメリカにいました。高校と大学は日本でした。海外というものに対しては、初めから垣根が低かったといえます。中国には接点がありませんでしたが、「三国志」というゲームにはまっていまして、中国には何となく親近感を持っていました。
東大在学中に、資格を取って勉強したいと思い、どうせなら難しい資格にしようと、司法試験の勉強を始めました。自分を鍛えるために獲得した資格でしたので、元から弁護士になろうと思っていたわけではありませんでした。学生の頃は、ゲームが好きでしたので、ゲーム関係の仕事に就きたいと就職活動をしていたこともありました。その頃、日本のIPホルダーが著作権のライセンス契約を海外事業者と結ぶ際に、英語で海外との契約がうまくできる法律家が少なく、その結果、日本のIPホルダーになかなかお金が入ってこないということを知り、漠然と自分もその方面の仕事ができないかと考えました。しかし、当時は弁護士事務所もそのようなライセンス関連や知的財産等の仕事をやっているところは多くはありませんでした。電通では、日本と海外の対内外のアニメやゲームという幅広いコンテンツを内外ビジネスとして成り立たせている仕事を行っていると聞いて、電通に就職活動をして入社させてもらうことができて、3年程度働きました。たとえば洋画の権利を日本に持ってくる仕事や、日本のテレビ番組を欧米等に販売するといったコンテンツ関連の仕事をさせてもらいました。

弁護士になり、初めて中国へ

幅広い業務を行うなかで、やはり弁護士の実務経験があった方がより仕事に生かすことができると思い、日本の4大弁護士事務所の1つにご縁があり転職しました。グローバルな知的財産関連の案件も手がける事務所でしたが、当時は不動産の証券化などのファイナンス系の仕事が主軸でした。2年目頃から知的財産関連の仕事が増えてきたなか、東京都が中国に日本のITベンチャー関係者を派遣するというプロジェクトを始め、グローバルな法律にも精通している弁護士が必要だということで、私にお声がけいただき同行することになりました。そこで一番初めに訪問した北京の企業が方正で、後にHOUSEI株式会社を創業して社長になる管さんに初めて会いました。はじめての中国はカルチャーショックの連続で、たとえば、当時の中国は大事な話は酒の席で決める、というようなことも言われていましたが、お酒を酌み交わしながら契約が決まったことなどもありました。

知的財産に通ずる国際弁護士に

その後の2003年~2006年頃、中国関連の仕事、中でも、知的財産関係の仕事が徐々に増えてきました。日本が様々な業界で中国に進出していく時代であり、中国で偽物が横行していることが問題となっていました。その状況を改善すべく、経産省は模倣品対策室を設立し、中国政府との交渉などにあたりましたが、私も縁あって、その部門に出向して、中国政府との交渉を行う仕事をすることになりました。実は当時、「行列のできる法律相談所」の特番などに出演させてもらっていたのですが、その番組で私は、「茶髪の風雲児」と言われていた某有名弁護士(笑)の噛ませ犬的な役柄で、同じ茶髪でもあったので(苦笑)、本当に自分でいいのかと不安でしたが、日本政府の一員として働かせてもらい、中国政府と交渉するという仕事は、今振り返ると私の人生にとってのターニングポイントでした。興味深かったのは中国政府との交渉です。知的財産というのは先取りした者の利益を確保する性質の法制度であるので、世界レベルで見れば、先進国の方が保護されることが多くなる法制度となります。中国は2001年にWTOに加入したタイミングで、TRIPS協定に批准し、先進国レベルの知的財産法が成立しましたが、実際には、文言通り執行されているとは言えず、知的財産権の保護はあって無いような状態でした。そのような状況下で、日本の知的財産権を保護して欲しいという日本側からの要請は当時とても煙たがられていました。しかし2016年に状況は一転します。中国はその年の国家計画で、知的財産で国を発展させていくことを初めて宣言しました。その後、これまでの方針と180度変わり、積極的に日本側に知的財産法制度の情報を求めたり、同法の立法、改善に熱心になりました。私も多くの中国政府部門の方々と、様々な知的財産法に関する討議をさせてもらうようになり、間接的に中国の知財法改正に携わるような形にもなり、大変貴重な経験をさせていただきました。この時、中国政府は非常にフレキシブルで、法律の改正も臨機応変に対応していたことを印象深く覚えています。

中国関連の仕事をしていく中で、やはり中国に関して現地に住まないと本質までは理解することができないと感じ始め、経産省の任期を終えた後、所属弁護士事務所に復帰しましたが、すぐに事務所の研修制度を活用して、中国に渡りました。まずは上海に渡り、中国語を勉強をして、模倣対策のコンサルティング会社で研修し、その後北京の弁護士事務所で研修させてもらう、という計画でした。

模倣品対策への使命感、IP FORWARDグループの成り立ちと発展

上海の模倣品対策のコンサルティング会社は、文字どおり、毎日、あふれんばかりの日本企業の模倣品と戦っていました。経産省での政府間レベルの交渉とは真逆、ド現場での知財保護の仕事の泥臭さ、責任感の重大さを実感しました。北京の法律事務所では、中国での裁判などを経験しました。この時、私が中国にいると知った日本企業の方々からも頼ってもらえるようになり、研修のはずが、どんどんお仕事をいただくようになってきました。当初は2年間の研修期間が終了したら日本の弁護士事務所に戻る予定でしたが、大規模な弁護士事務所では、知的財産権関係の業務は弁護士としては大きな業務領域とは言えず、特に、中国に限定する、ということは非現実的なものであったこともあり、上司の弁護士などからは知的財産権に限定しない仕事をした方が良い旨、勧められましたが、多くの模倣品とこれに困っている日本企業を目の当たりにした私としては、「いま私が中国を離れたら誰がやるのだ」という使命感とも言える感情を持つようになり、中国知的財産の仕事にもっと特化していきたい、またまだまだ中国にいたい、いるべきだという思いを強く持つようになっておりました。お世話になった弁護士事務所を辞めること、日本でも起業したこともないのに、いきなり中国で起業することに非常に迷い、戸惑いもありましたが、思い切って事務所を辞めて中国で模倣品対策のコンサルティング会社を起業する決断をしました。

当時北京はPM2.5が出始めた時期でもあり、上海の方が日本企業の方も来やすいであろうということで、上海で起業しました。10年前のことです。中国人の模倣品調査員のメンバーら13人の規模ではじめた模倣品対策のコンサル会社、それがIP FORWARDのはじまりでした。設立直後は比較的順調でしたが、経営は初めての経験だったので、資金繰りの管理などが大変でした。
業務の流れは、知財権を侵害する偽物業者を調査・発見したうえ、これを摘発して、弁護士が訴える、その前提として、弁理士が知的財産を登録するというものです。こうした偽物対策に関する業務以外にも、調査員を活用した市場調査、ビジネスパートナーの発掘、マッチングをするコンサル業務も伸びてきまして、現在は、社員は70名を超える規模に成長でき、業務も多様化してきました。

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