2021 年 11 月 1 日 [月]

DX推進の行方を左右する「実行」と「ビジョンの共有」

対談
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日本におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)は、2018年に経済産業省が取りまとめたDX推進ガイドラインによって認知度が大きく向上しました。そうした中、ファシリテーション型変革コンサルティングのケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの榊巻亮社長と弊社代表の管祥紅は平素から、企業のDX推進を円滑に行うには「実行」と「ビジョンの共有」がカギになると訴えかけています。今回は両者の対談を通じて、DX推進に欠かせない要素である「実行」と「ビジョンの共有」について考えてみたいと思います。

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Author

執筆者

榊巻亮

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ 代表取締役社長

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社に所属するコンサルタント。大学卒業後、大和ハウス工業に入社。住宅の設計業務に従事すると同時に、業務改善活動に携わり、改革をやり遂げる大変さ、現場を巻き込み納得感を引き出すことの大事さを痛感する。大和ハウス時代に「変革に巻き込まれる」経験、「変革をリードする」経験。現場の立場でプロジェクトを推進することの重要性を実感。

ケンブリッジ入社後は「現場を変えられるコンサルタント」を目指し、金融・通信・運送など幅広い業界で業務改革プロジェクトに参画している。新サービス立ち上げプロジェクトや、人材育成を重視したプロジェクトなども数多く支援。ファシリテーションを活かした納得感のあるプロジェクト推進を得意としている。

GUEST

話し手

榊巻亮

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ 代表取締役社長

HOST

聞き手

管 祥紅

HOUSEI株式会社 代表取締役社長

GUEST

話し手

榊巻亮

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ 代表取締役社長

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社に所属するコンサルタント。大学卒業後、大和ハウス工業に入社。住宅の設計業務に従事すると同時に、業務改善活動に携わり、改革をやり遂げる大変さ、現場を巻き込み納得感を引き出すことの大事さを痛感する。大和ハウス時代に「変革に巻き込まれる」経験、「変革をリードする」経験。現場の立場でプロジェクトを推進することの重要性を実感。

ケンブリッジ入社後は「現場を変えられるコンサルタント」を目指し、金融・通信・運送など幅広い業界で業務改革プロジェクトに参画している。新サービス立ち上げプロジェクトや、人材育成を重視したプロジェクトなども数多く支援。ファシリテーションを活かした納得感のあるプロジェクト推進を得意としている。

HOST

話し手

管 祥紅

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの榊巻亮社長(右)と弊社の管代表

改革は常に「アジャイル」で

管 「実行」という点では、弊社は「アジャイル」(迅速に開発して改良を重ねていく)という性質を重んじ、社員にも徹底教育しています。完璧になってからやるか、途中でもやるかといったら、絶対に後者ですね。これは単に「不完全でもいい」ということではなく、弊社は「不完全と向き合う」姿勢を重視しているからです。DX推進には「いますぐやること」が何よりも大事だと考えているんです。

榊巻 同感です。DXは「数年がかりの計画」でなく、「すぐにやる」という性質を内包していると思います。

管 デジタルをつかった、プロによる即興演奏とでも言うのでしょうか。経験や技術を生かし、流れの中で局所的に最適化していく感じです。中国の改革は常に「アジャイル」なんです。まずは実行。そしてレビューをして、良かった点はどんどん強化していく。まずアクションを起こすことで、改革を次々と成功させてきました。

榊巻 中国人には「アジャイル」という性質が教育で身についているのでしょうか。日本人がその感覚を持つのは大変です、特に技術系は。成功体験がものをいうんでしょう。

 DX推進には成功体験や自信が蓄積されていないと難しい側面はあります。経産省もDX推進には企業文化を変える必要があることを認めています。狭い意味での「技術」で作業をデジタル化・効率化できることはこの数十年で証明されてきましたが、それはDXではありません。重要なのは成功体験と同時に、失敗を許すことができるリスクマネジメントが根付いているかどうかです。

課題は多いと認識しつつ日本のDX推進を加速化し、社会に還元していきたいと願う両者

榊巻 まさに「やってみなはれ精神」ですね。ただ、それが「やってみたことがないので、まずは勉強させてください」になるとまずい。「専門家になります」というようなチャレンジの仕方から、「外部のリソースを使う」とか「ビジョンの共有にチャレンジする」というアプローチへ変えていく必要があると思います。

管 最近は「イノベーションは皆でやるものだ」という精神が根付いて来たような印象です。アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズの素晴らしさは、やはり、「ビジョンの共有」能力だと感じます。相手に「ビジョン」を伝え、想像させ、共鳴を起こし、世界一の人材をあつめて「ビジョン」を実現する。そうしてハードとソフトの融合をクラウドベースで実現していました。

榊巻 大衆や一般の人を引き込むプレゼンやマーケティングの力に、ジョブズは長けていましたね。「ビジョン」を引き出して見えるようにして、技術者を自身の世界観に引き込む……というようなことをしていたのでしょう。日本人の場合は、これを全部一人でやろうとしてしまう。全部一人でやろうとすると、やはり、つらくなってしまいます。世界が変化するスピードに適応していくためには、専門家をうまく使えばいいんです。それが「New-Old人材」(ファシリテート人材)という概念です。管さんのような経営者や若手から「ビジョン」を積極的に引き出し、引き出したその「ビジョン」を技術メンバーに「共有」し、実現可能かを擦り合わせながらプロジェクトを進めていく。DXでは、そんな人材や組織の重要性が増しているような気がします。

管 「ビジョン」はニーズであり、先駆者が作ってきたシーズと組み合わせる。自分たちで想像して、夢を語って「ビジョン」を出して、DXを実現してゆくのだと思います。

「New-Old人材」の概念と重要性について説明する榊巻社長

うまく専門家を頼り、IT化の遅れを取り戻す

榊巻 中国はITが必要とされ、人材も多く、先進化してきました。一方で日本ではインフラが安定しているなどの要因から相対的にIT化が遅れ、人材も不足しています。就職先の人気ランキングでも商社や金融系が目立っています。こうした状況下で日本はどのようにDXを推進するかという課題に直面しているわけです。

管 中国やアメリカでは、ITと言えば「チャンスの多い業界」と信じられており、実際に様々な国から優秀な人材が集まっています。結構前の話になりますが、私は1992年から2年間アメリカのボストンにいましたが、世界中から優秀な人材が続々集まっているのを実感しました。また、中国でも大きな成功を収めた企業にはIT系が多く、意欲的な人が成功を目指す人気の業界となっています。

榊巻 IT業界の人気が高ければ、それだけDXも推進しやすくなります。

中国に「英雄不問出処」ということわざがありますが、人の才能は出身地や人種を問わないという意味です。出身や人種を問わず、能力を見てリソースを適切にコーディネートしていくこともDX推進には大事です。自前主義からの脱却が必要です。

榊巻 ケンブリッジとHOUSEIが一緒に仕事をしているのも、まさにこの図式だと感じます。HOUSEIからITの知見と中国の知見をいただき、ケンブリッジがそれを組み合わせていくというイメージです。

DXは常に不完全さと向き合うこととなりますので、うまく専門家を頼り、全員で進めてゆくことが肝要ですね。私たち民間も互いに協力して日本のDXを盛り上げていきましょう。

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