御社の事業概要と、今回のシステム導入に至った背景について教えてください。
当社は昭和24年に創業し、東海三県を中心に食品卸業と、オフィス・工場・学校・病院などの施設内にあるミニコンビニ型職域売店を24店舗運営しています。職域売店に関しては、場所や時間に制限がある環境に立地しており、どうしても来店客数や売上に上限があることが課題でした。さらにコロナ禍では、在宅勤務や行動制限の影響で来店者数が激減し、売上にも深刻な影響が出ました。このような状況を受けて、営業時間の拡大と利便性向上を目指し、セルフレジの導入を決定しました。加えて、無人運営に不可欠な防犯対策として、顔認証による入店管理が可能なWelcomIDを導入することになりました。

WelcomIDの導入前、どのような課題があったのでしょうか?
コロナ禍による売上の減少に加えて、慢性的な人手不足も大きな課題でした。必要な人員を確保できず、やむを得ず営業時間を15時までに短縮して運営していた店舗もありました。
すでにセルフレジは導入していたものの、無人運営にはセキュリティ上の不安があり、完全な省人化には踏み切れない状況が続いていました。そうした中で、売上低下への対策としてだけでなく、時間に縛られない柔軟な店舗運営を実現する手段として、顔認証による入店管理が可能なWelcomIDの導入が有効ではないかと考えるようになりました。実際にWelcomIDを導入している他社の店舗を視察した際、「とてもスムーズに入退店でき、未来の店舗システムに触れた感じがした」と高く評価し、導入の決断が一気に進みました。
導入プロセスや所要期間について教えてください。
検討開始から実際の稼働までは、おおよそ半年程度かかりました。弊社にとってはこのようなシステムの導入は初めての取り組みであり、社内での情報共有や導入目的の整理に想定以上の時間を要しました。また、現場では主にパートスタッフが運用を担っているため、トラブル発生時の対応に対する不安も大きな課題でした。そうした中、HOUSEIさんには設置工事の立ち会いや、現地での操作説明などを丁寧に対応いただき、大変助かりました。ただ、導入当初は、ネットワークを含むシステム面での調整や、操作や運用に慣れていないこともあり、現場が仕組みに馴染むまでには少し時間を要したというのが正直なところです。
導入後、どのような変化がありましたか?
セキュリティを確保しながら、営業時間の大幅な拡大を実現することができました。
現在は、7:30〜15:00までは有人運営、それ以外は無人運営という24時間営業で運営しています。売上も、前月比160%と大きく伸長した結果を出すことができました。職域内にある店舗という特性上、利用されるお客様のITリテラシーも比較的高く、新しいシステムにもスムーズに順応していただけたことが、結果にもつながっていると感じています。実際に、「より便利になった」「利用しやすくなった」といったポジティブな声も多くいただいており、利用満足度の向上も感じています。現場スタッフに関しては、導入当初こそ「業務が増えるのでは」といった不安や戸惑いがあったものの、徐々に操作にも慣れ、現在では落ち着いてトラブル対応ができる体制が整ってきました。

今後、HOUSEIに期待することはありますか?
WelcomIDは非常に完成度が高く、実際の運用でもその利便性や効果を実感しています。
無人店舗運営には、顔認証とセルフレジの両輪が不可欠であり、導入先によって既存の設備や運営体制が異なるため、現場環境との“調和”が今後の鍵になると感じています。今後は、各店舗の状況に応じた個別対応や柔軟なサポート体制のさらなる充実に期待しています。特に、導入初期に起きやすいトラブルや運用上のつまずきなどを事例として蓄積・共有していただけると、同業他社にも展開しやすくなり、結果としてこのシステムのさらなる価値向上にもつながるのではないでしょうか。
今後の展望について教えてください。
現在の職域コンビニ市場は、規模が限られているうえに競合も多く、今後は新たな領域への展開や市場の開拓が不可欠だと考えています。その一方で、今回のシステム導入を通じて得られた成果やノウハウは、他店舗への横展開にも活かせると感じており、条件が整えばさらなる導入も前向きに検討していく方針です。今後の出店計画や業務改善の場面で、またHOUSEIさんにご相談させていただくこともあるかと思います。引き続き、パートナーとしてのご支援をよろしくお願いいたします。