完全に統合された「JDF/PDFプリプレスワークフロー」システムです。
「バージョン6090 SP(英語版/中国語版)」が2018年4月にリリースしましたElecRoc(エレクロック)は、EagleRIP(イーグルリップ)と同様に北大方正電子有限公司が独自に開発する中心的な技術であり、製品として2001年開発当初から中国国内および世界各国へ展開しているものです。デジタル出版のデータとなるPDFファイルを基本ラインとして「CTP・デジタル印刷機・カラープリンター」への出力をカバーする「完全に統合された《JDF/PDFプリプレスワークフロー》システム」です。サーバー上で統合プログラムを動作させて、ネットワーク上にあるクライアントPC側で作業をするシステムです。開発初期(2005年頃)から教科書といった書籍や操作マニュアル類その他出版物の印刷へ中国国内で利用され、新聞やポスター・少ページの冊子類へも幅広く使われているものです。
自分だけの目的のワークフローを独自のプログラムモジュールを使って構築(アイコンを線で結ぶ)する簡単で直観的な操作性が特徴で、作業中のページ(PDF形式)をページ単位で台割り進行的にまた画像は多角的に表示させ全体の自動処理も可能にした製版製作システムです。
入稿したDTPファイル全てをPDFファイルへ変換あるいはPDFファイルで取り込み、ページ単位の更新/差し替え/追加/表示など様々なページ編集処理を行ない、例えばデジタル雑誌としてPDFファイルで完成させあるいは面付け処理を終えた刷版データ(PDFファイル)をプリンタ校正のあとRIP処理(様々な網点形状・色分解・インクセーブ機能などへ対応)してCTP出力用TIFFファイルへ保存するものです。また、弊社の大型デジタル印刷機P-5200やHP社のIndigoシステムといったオンデマンドデジタル印刷機システムを接続して、ElecRoc(エレクロック)側の設定画面を使った印刷も行います。全てのデータ処理をサーバー内で行う「クライアント/サーバー型のシステム構成」ですので、面付け処理やRIP処理などのPCに負荷のかかる重たい処理であっても、クライアントは安価なPCや多数のソフトウェアと同居したPCを使用して軽く作業をこなすことができます。管理オペレータは作業に合わせたワークフローを構築する権限を持ち、作業オペレータは指定のワークフローを使って許された権限内の表示画面で作業を行ないますので、操作ミスなどの事故のないシステマティックな作業現場を構築運用するものです。開発元ホームページ(英語)には詳しい製品情報があり、機能を動画で詳しく見ることができます。また、インストールの方法や注意点など技術的に必要なサポートもしており、ユーザーガイドだけではなく、インストーラ以外に各種ツール類などのダウンロードができます。
「バージョン6090 SP(英語版/中国語版)」は、ご使用中のバージョン6065をアップグレードさせるためのプログラムです。新規にインストールするときはバージョン6065を先にインストールする必要があります。また、サーバーは専用で使用し、オペレーションシステムは英語版が必須になります(クライアントPCには制限なし)。英語版はメニュー表示が英語となりますが、日本語のファイルを処理します。〇専用サーバー側: ・英語版 Windows Server 2008R2SP1(x64) / 2012(x64)(R2は未対応) ・動作可能(推奨しません):英語版 Windows 7/8(8.1は未対応)〇クライアントPC側: ・Mac OSX 10.7 - 10.10(Java 1.5 またはそれ以上) ・Windows 7/8/10 / Server 2008R2SP1/2012(x64)〇必要アプリケーション: ・Acrobat 7.0 - X Pro ・Enfocus Pitstop ServerV4.0 - V4.08〇オンライン認証: ・インターネットを通じた「クラウドライセンス認証方式」
PDF変換機能(PDFジェネレータ)、RIP(PDFラスタライザ)、PDFプリフライト、インクセーブ(EcoInk PDFイン/アウト)、3Dブックレット/リモート3Dプレビュー、Acrobatプラグイン表示、ギャンギング機能、PDFカラー管理、パッケージ印刷機能、1bitTIFF内蔵PDFアウト、面付け諸機能(マージン/クリップ/テンプレート/ロック機能)、PrePS6へのコネクションJDF対応、Hi-Fi色分解、PDF文書差分比較、タスク管理、CIP4管理、各種新しいスクリーニング(網点形状)、ゾーンスクリーン機能、トラップ機能(透明トラップ、ゾーントラップ、Acrobat表示など)、RIP前/後のカラープルーフ、winPrint、リモートプルーフ機能、各社出力ディバイスへの対応(コントローラ機能など)、その他。
プログラム上のソフトウェアの上ですべてを行い(ネットワークの接続などWindowsの基本的な設定は事前に必要)、機能を示したアイコン(プログラムモジュール/プロセッサ)を画面に配置します。処理したい流れに合わせて矢印でアイコン同士を結合し、ダブルクリックして表示する画面で必要な設定を行なうだけです。権限を持った管理者がワークフローを作りますので、作業者は表示されたワークフロー中から選択して作業しますから、条件が不用意に変わるなどによる事故は起きません。入稿したファイルが誰のどの段階の処理にいて状況は良いのか悪いのか、途中経過をログ表示や画像プレビューなどで多角的に確認ができます。